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〜〜第12章〜〜

 

8月12日PM5:00 開演

BGMがフェイドアウトし、オープニングSEが鳴り響きます。
やがて、オープニングガナリの男声が、重々しく響き渡ります。

「Be Free!! presents TAIJI's Night!!」
照明が派手に散らし、点滅する中、蘭魔瑠くんと私は、階段を下りて、客席を2分したロープの間を通って、ステージへ向かいます。
ステージに上がってくるっと正面を向くと、その前方には集まってくれた100名あまりの皆様の顔が見えました。
………いかん。台詞、忘れそう。
何とかマイクをつかんで最初の挨拶をします。

「皆さん、こんばんは〜。本日は、『 Be Free!!presents TAIJI's Night』へようこそおこしくださいました。私、本日の進行役で、沢田泰司さん公認サイトの主催者であります、カイコと申します〜」
そのあとを、蘭魔瑠くんが続けます。
「私、同じく本日、進行役をつとめさせていただきます、蘭魔瑠と申します〜」
「本日は、どうぞ、よろしくお願いします!」
……ぜいぜい、もうこのあたりで引っ込みたい私(爆)。
しかし、このあとが重要でした。
蘭魔瑠くんは、トップバッターバンドのExcellenceのベーシストなんですね〜。
司会用のスーツ姿から、ライブ用衣装へと早変わりしなければなりません。
ステージからいったん下がって、楽屋で着替えて、それから改めてバンドメンバーとともに、再入場してもらいます。
そこで、蘭魔瑠くんは、一計を案じました。
「ステージの前に、トイレの紹介をさせていただきます。トイレの位置は、客席後方〜」とトイレの説明を始めましたの。
そして、説明し終わったとたん、次のように言ったのです。
「すみません〜。紹介してるうちに、自分が行きたくなってしまいました。ちょっと行ってきます〜〜〜」
……そうして、ステージには、私一人が残されてしまいました……。
焦る(爆)。
とりあえず、このイベントの主旨を説明しておこう。
「このイベントは、TAIJIさんのバースデーと復活を記念して、ファンの皆さまと、TAIJIを師匠とあおぐアマチュアバンドの皆さんの演奏を中心に楽しもうと思って企画しました」
……まだ30秒も経ってない…(爆)。
そ、それでは、次に、影アナでも言ったけど、もう一度注意事項を読み上げておこう。
「カメラ、テープレコーダー等は今回のイベントではご遠慮ください」
……す、少ない。
とにかく、思いつくことは全部言っておこう。
何とかかんとか言いつないで、ようやく3分ぐらいは経った頃、ふと前方を見ると、タイムをはかってくれているTHUKASAちゃんたちが、スケッチブックを振りかざしてます。
それに、どうやら「OK」とか「まだ!」とか書いてあるらしい。
しかし……。み、見えない(爆)。
ステージから遠いのと、あとステージ上にスポットライトが当たっているため、客席の奥は真っ暗状態で、文字が全然見えないんですね。
「え?もういいの?」
とマイク越しに聴いては、「まだ〜〜〜!」と叫び返されちゃって、とてもじゃないけど、やはり私には進行役は向いていなかったようです(爆)。ああ、恥ずかしい。
それでも、ようやく準備が整ったようですので、1番目のバンドを紹介します。
「それでは、Excellenceの皆さんです〜〜!よろしくお願いします!!」


上の写真をクリックすると、たくさんのExcellenceの写真が
ご覧になれます。

Excellenceのメンバーは、総勢6名。(ここから、バンドメンバーは敬称を略させてもらいます)
ボーカルはTRIBALのベーシストであるTETSU、ギターはDAISUKE-chan、もう一人、NAKA-G、ドラムはKAGEKI、キーボードはKASHO、そしてベースが蘭魔瑠、となっております。
演奏するのは、TAIJIの所属したバンドの曲ばかり!
1曲目はLOUDNESSの
「Pray for dead」でした♪
ただ、やはり1番目のバンドということもあって、観客の皆さんのノリが今ひとつ…。メンバーの方も緊張気味。
私は、ステージを降りて、上手側のスピーカーの前で見ていたのですが、少々もどかしい感じがします。
なんか、皆さん、恥ずかしがっているところもあるみたい。
そんな中、2曲目です。
これが幻のバンド(?)Dementiaの
「Metal Maniac」
この曲は、1985年6月に発表されてまして、なんと当時の神楽坂エクスプロージョン(現Dimension)でのライブを収録したシートレコードに入ってるんですね。
15年前収録したのと同じところで、TAIJIを慕う彼らが演奏する…。
感動してしまいました。

そして、最後の曲。
これは、D.T.Rの
「Cybernetic Crime」
この頃になると、ようやく観客の皆さんも雰囲気に慣れてきたのか、ノってきます。そして、一番のサビの部分に入ってきた時です。
突然、ステージ上に乱入してきた人物がいました。
次に演奏することになっている、hWdのTADASHIです。
友達であるギターのNAKA-Gの肩を組むと、1本のマイクでハモり部分を熱唱し始めたのでした。
これには、またまた感動でした〜。
そのノリと気迫に押されるかのように、客席のパワーも倍増し、一段と盛り上がったのは、言うまでもありません。


こうして、1つめのバンド演奏が終了となりました。
すぐに次のバンドのセッティングにかかります。
この間に、もう一度、蘭魔瑠くんと私がステージに上がります。
BGMには、D.T.Rが以前、ファンクラブで、バースデーの人に抽選で贈った「特製バースデーソング」を流します。
アップテンポなバースデーソングが流れるなか、入場の時に皆さんから預かった、TAIJIへのメッセージをまとめてTAIJIへ贈る旨を、説明いたします。
そして、私たちがステージを降りると、客席が暗転し、両脇につり下げられているモニターに、Xの秘蔵VTRが流れ始めました。
Xの無料配布ビデオである「X clamation」や「Thanx」が画面に現れるたびに、客席はどよめきます。
何と言っても、10年以上前のビデオだものですから、画質は相当悪かったのですが、凄く喜んでいただけたみたいで、ほっといたしました。
やがてセッティングが終わったようですので、ビデオは途中で止めます。
一瞬、不満の声があがりかけましたが、堂々と入場してきたhWdのTADASHIの次の一言で、皆、笑ってしまいました。
「非常に残念ですが……(笑)。いや、オレも久々に全部見たかった!!気持ちはわかるっ!」
これで、一気に和みました♪
そして、いよいよボストン仕込みのhWdの演奏がスタートいたしました。
 
<13>へ続く