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〜〜第8章〜〜




8月11日、最終打ち合わせ(1)

7日〜9日まで広島で仕事を済ませている間にも、どんどん電話やメールが追いかけてきてました。
ようやく8月10日に東京入りした私ですが、その日は長旅の疲れもあって、ホテルで沈没しておりました。
と言っても、もう本番まであと2日。
何か忘れていないか、気になって仕方ありません。

そして、8月11日。
この日は、前もってアポイントメントを取っておいたオフィスTへ、お伺いすることになってました。
最終打ち合わせのためです。
東京駅で、今度のイベントで「参謀」の役割を果たして下さっているはま〜さんと待ち合わせをし、午前11時には、オフィスTへおじゃまいたしました。
去年12月にお伺いして以来ですが、相変わらず道を覚えていない(爆)方向音痴の私は、わずか徒歩10分のところにしっかりとタクシーを使い、運転手さんに呆れられてしまいました。

オフィスTへ着くと、Cloud Nine側のTさんがまだおいでじゃなかったので、その間、なかじママさんのPCをアレコレいじらせてもらいます。
……G4だ。いいな〜〜(うっとり)。
とりあえず、最新版のブラウザをインストールして、しっかり「Be Free!!」をブックマークに入れたところで、Tさんが到着なさいました。
そこで、はま〜さんから最終稿となる企画書第4稿をお渡しして、当日の流れとCloud Nine側の行動の打ち合わせをいたします。
タイムスケジュールを見ながら、細かい流れまでしっかりチェックします。
昼食を挟んで、いろいろと雑談していますと、なかじママさんが、「ちょっと迎えに行ってくるわ」と、外へ出られました。
……それから10分後、私の目の前には、黒のスーツをびしっと着こなした
TAIJIが立っておりました。

金色の髪に黒のサングラス、そして珍しい黒のスーツ姿……。真夏の暑い盛りに、こんな濃い色のスーツをここまで爽やかに着こなせる人も珍しい…。
多少夏バテと聞いていましたが、5月のサイン会の時より、顔色はずっと良かったです。
あ、そうそう。TAIJIが同席したのは突然のことではなく、以前から「Be Free!!」の方でお願いしていたことなんです。
音楽業界のはま〜さんからのお願いごとや相談ごと、私の方からもいろいろとご提案などがありましたもんですから、ミーハー的なものではないことをご了承ください。
さっそく、はま〜さんから専門的な話が出て、それらをいろいろと話し合っておりました。
この時、明日演奏する曲数などを教えてもらいました。
時間枠は決まってましたが、曲数までは決まっていなかったのです。とりあえず4曲だということでした。
それと、BGMとSEもすべてCloud Nine側で用意されておりました。
聞かせていただいたら、これまた素晴らしいSE!!
XのDesperate AngelとD.T.RのCybernetic Crimeが、その原曲をとどめないまでに編曲されていて、その他の音と混合し、まったく新しい曲になってたんです。
この曲がかかった瞬間、お客さんは、「今から、TAIJIが出るんだ!!」ってわかるだろうな〜。びっくりするだろうな〜。
……その瞬間がすごく楽しみになってきました。
また、明日は、TAIJIを「師匠!!」と慕う3バンドが出演します。
今のままのタイムスケジュールでは、TAIJIは本番は自分の出番寸前に戻ってくるので、この3バンドの演奏が見られない。
しかし、頑張って練習してきた彼らのステージをぜひ見てもらいたいので、リハーサルが終わったあと、そのまましばらく残ってもらって、彼らのリハーサルでのステージを見ていただくことになりました。

次に、先日のラジオたんぱの話になりまして、TAIJIがくすくすと思い出し笑いをしながら、こう言いました。
「いやあ〜、あの
らくてんか弐のショートギャグ、面白かったよ♪ 明日、出てもらったら?」と。
なかじママさんと顔を見合わせながら、さらにクスクスと笑い続けるTAIJI…。
「だって、なかなかないよ?お笑いとライブが一緒になったイベントって♪」
「……さっそく、今夜出演交渉いたします」
なにせ、このらくてんか弐のお二人は、ご自分たちのラジオ番組にTAIJIに出てもらいたいがために、オフィスTと直談判した経歴の持ち主ですからね〜(笑)。おそらく、TAIJIの「ご指名!!」となったら、出てくれるのではないだろうか?
そう勝手に(爆)判断し、帰ってから出演願いのメールを出すことにいたしました。


その後、雑談を交えながらお話している時に、会場となる神楽坂DIMENSIONの話になったんです。
神楽坂DIMENSIONは、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、昔は
「神楽坂エクスプロージョン」という名前でした。
この名前でピンと来たあなたは、かなりの「X通」♪
そう、このライブハウスは、「X」が、YOSHIKI、TOSHI、HIDE、PATA、TAIJIのメンバーになってから、最初にライブを行ったところなのです。
その時のライブは、TAIJIが火を吹き、TOSHIが客に向かって投網をし、誰かはわかりませんが、炭酸ガスを持って客席へ突入し(…あの人しかいませんね/笑)、シンバルを燃やし、ライブハウス中ガソリンの匂いが立ちこめるすさまじいものだったそうです。今では伝説になってますね。
あれから、13年…。
再び、このライブハウスのステージにTAIJIが立つことは、果たしてTAIJIにとってどういう意味を持つのだろうか?

そう思っていたら、TAIJIがふとこうつぶやきました。

「あのライブハウスで、初めてHIDEと出会ったんだ…」
そしてこうも言いました。
「あの場所は、X時代の思い出がたくさんある。その同じ場所で、再スタートを切ることができるのは、すごく嬉しい」
とも。

……TAIJIにとって、大事な思い出のある神楽坂DIMENSIONを選んだのは、本当に偶然だったんです。
しかし、今はその偶然に感謝しました。
そして、TAIJIは帰り際、「明日は、頑張りますので、よろしく!」と、輝くような笑顔で挨拶をし、去って行きました。

残された私たちは、午後6時から始まるスタッフとの最後の打ち合わせ場所である渋谷へと向かいました。


第9章へ続く