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〜〜第16章〜〜


Cloud Nine!! Cloud Nine!! Cloud Nine!!

 

この夏、最高に熱かった瞬間でした。
いえ、今までの人生の中で、一番熱かった瞬間かもしれません。
TAIJIが、ステージに、戻ってきた。
この瞬間を見たいがために、私は「Be Free!!」を始めたと言っても過言ではありません。
ファンを見て微笑むTAIJI。
あおるTAIJI。
ベースを構えるTAIJI。
シャウトするTAIJI。
私がステージでTAIJIがベースを弾くシーンを見るのは、1995年6月10日以来のことでした。
あまりのことに、胸が熱くなります。

しかし、ぼんやりと感動に浸っている余裕はありません。

1曲目の
SPEED RISEが始まった瞬間、いや、彼らがステージに立った瞬間から、ファンの怒濤の押しが始まったのでした。


ドドド〜〜〜ッとスゴいパワーで押し寄せてくるファンに、私はほとんど潰されてしまいました。
いや、スゴイ、スゴイ!!皆、待ってたんだね〜〜。私もだよ〜〜!
しかし、スゴイのはいいのだが……。
こ、このままでは、モニターが潰れてしまう……(爆)。
私のすぐ前にいるカメラ担当のT-Bさんやとかげちゃんたちまでも潰れそう。
な、なんとかしなくては……。
必死で、隣にいる社員クンと手をつないで、というか、スクラムを組んで(爆)、前方にくずれないように半分腰をかがめて踏ん張ります。
もうこの状態だと、見えているのはボーカルのYAZZさんの足下だけ(爆)。
TAIJIの方がどうなっているのか、まったくわかっておりません。
しかし、どうやら、サングラスをはずしたもよう。
久々のサングラスなしの顔に、ますますお客さんたちは熱狂します。
しかも、あとから聞いた話によると、この時、TAIJIったら、お客さんに自分が飲んでいたペットボトルのお茶をドボドボかけていたらしい(爆)。
おかげでさらにすんごいことになっていました。

MCもなしで、続けて2曲目に突入。
今度の曲は、
DAMMIT TO HELL
どんな曲だったか……は、思い出せない(爆)。
もうこのあたりから記憶が飛んでます。
お客さんの熱狂ぶりは、ますますパワーアップしています。
さらに、YAZZさんがあおる、あおる。

3曲目に入る前にMCがあったかどうか…。いや、全体を通してMCってあったっけ……?少しはあったはずなのだが、覚えていない(爆)。
とにかく、この時点ではまだメンバー名すら秘密だったもんで、メンバー紹介はありませんでした。
この顛末記を書いている9月30日現在では、すでにロッキンf11月号で発表になったので、皆さんわかっていると思いますが、
ヴォーカルはYAZZさん、ギターがShuさん、ドラムがA-JOEさんです(今回、ステージ写真は出せませんが)。
Cloud Nineとしては初ステージなのですが、そんなことはまったく感じさせないほどのグルーヴ感で押しまくります。
3曲目は、
Bastard
これが今回、ロッキンfでデモCDになった曲です。
この曲が、爆音で目の前で演奏される様子を想像してみてください。
……いやあ、凄かった。
この3曲目ぐらいから、お客さんも少しは落ち着いて音を聴くようになってたんだけど、あまりのヘヴィー&ラウドさに、またまたヒートアップ!
そして、あっという間のラスト曲
FOOLISHLY BOLDに突入したのでした。

何曲目かでは、TAIJIがシャウトするシーンもあったはずなのですが、もうどの曲だったかまでは覚えておりません。
と言うか、リハーサルで見ただけで本番ではまったくと言っていいほど見えなかったため、確認できませんでした。
でも、必死で前を守っている時、えいっとばかしに顔を上げたら、一瞬だけ、TAIJIの顔が飛び込んできました。
とても、とても、嬉しそうな顔。
押し寄せるファンに少しでも近づこうとするかのように、前へ乗り出す姿。
必死で手を伸ばすファンへ、ぱんぱん、と軽く手を合わせる様子。

…たとえステージが全部見られなくても、私にはそれだけで、充分でした。
Cloud Nineの演奏が終わっても、会場のボルテージはとどまるところを知りません。
「TAIJI〜〜〜!!」と叫ぶ声が、会場中にこだましてます。
泣いている人もいました。
ただ、ひたすら、彼の名前を呼ぶだけの人もいました。
狂ったようにこぶしを突き上げる人もいました。
そんなファンの姿を、しばらくの間、TAIJIはまぶしそうに見つめていました。
そして、前方の人たちに手を差し伸べ、にっこりとほほえみ、やがて、メンバーとともに、ステージ後方のドアへと消えていきました。

こうして、ファンの皆が待ち続けたTAIJIの復活、そしてCloud Nineの初ステージは、大成功のうちに幕を閉じたのでした。

 

<17>へ続く